資金の調達手段の一つである「債券」
一番身近にある債券の例では、個人向け国債などの「日本国債」が挙げられます。
しかし、身近にある国債以外の債券は、名前すら聞いたことがないという方も結構多いです。
では、国債など以外では、どのような債券が身近に出てくるかというと
・ソブリン債
・ハイイールド債
など、聞いただけでは「なんだそれ?」という物が出てきます。
そんな「ソブリン債」や「ハイイールド債」がどのような場面で出てくるかというと、高校生の金融教育のメインになってくるであろう“投資信託”です。
という訳で、今回は投資信託でよく使われる
・ソブリン債
・ハイイールド債
・2つの債券の違い
この3つについて解説していきます。
是非、投資信託の分野に入る前の債券の分野で、覚えていただけたらと思います。
ソブリン債って何?
まずソブリン債について説明します。
ソブリンとは英語で「sovereign」と書き、「主権者」「君主」「国王」などの意味を持ちます。
ソブリン債とは、そんなすごそうな方たち
世界各国の政府や政府関係機関、国際機関によって発行される債券の事です。
一番分かり易いソブリン債と言うと、以前解説した個人向け国債などの「国債」です。
ソブリン債は、そういった利率は低いが信用力が高い債券に当てはまる為、「投資適格債」に分類されます。
債券の発行体が、債務不履行になるリスクが低い債券の事。
信用力が高いので、「投資(が)適格(な)債(券)」という読んで字のごとくという債券です。
具体的には格付けが関わってくるので、こちらをご参照ください。
一般的にソブリン債という言葉は、国債であろうとそういった国を除外して使う事が多いです。
ハイイールド債って何?
次にハイイールド債について説明します。
ハイイールドは英語で、「high yield」と書きます。
イールド(yield)が金融では「利回り」という意味を持ちます。
つまりハイイールド債とは、「高い利回りの債券」という事になります。
しかしこのハイイールド債と呼ばれるものは
発行元の信用度(格付け)が低い
のです。
その為このハイイールド債は、「ジャンク債」という呼ばれ方もしたりします。
ハイイールド債(ジャンク債)は、そういった利率は高いが信用力が低い債券が当てはまります。
また、ソブリン債は投資適格債なのに対し、
ハイイールド債は「投機的格付債」「投資不適格債」と言われます。
2つの債券は、リスクと利回りに違いがある
ソブリン債などの「投資適格債」とハイイールド債などの「投資不適格債」は、リスクと利回りの関係的に、正反対になります。
まとめて改めて見ると、2つの債券はリスクと利回りの関係的に正反対と分かりますね。
この部分は資産形成や資産運用をする際に、とても大切になってきますので絶体に覚えておきましょう。
リスクと利回りの関係
ここまで読んでいただくと
「何故デフォルトリスクが高いと、利回りも高くなるの?」
逆もしかりですが、こういった疑問が湧くと思います。
イメージがつきやすいように、簡単な例を挙げて説明します!
(例)
・Bというあまりお金を持っていない人
2人がいたとして、それぞれが100万円貸してくれと言ったとします。
(お金持ちはお金を貸してくれなんて言わないよ?という疑問は持たないでください笑)
どちらも1年後に「110万円」にして返すと約束をしてくれた時、どちらに貸しますか?
ほぼ全員、Aさんに貸すという答えになるでしょう。
理由は、Bさんに比べてAさんはお金持ちで、ちゃんと返してくれる可能性がBさんに比べて高いから。
では、Bさんがお金を借りる為にはどうすればいいかというと・・・
1年後に貸してくれたお金を、150万円にして返すよ!と、Aさんより多く返すことを提案すれば良いのです。
・安全に貸したいなと思う方は、Aさん
・リスクは大きいけど、儲けたいなと思う方は、Bさん
に貸すという2択に分かれると思います。
すごく簡単にイメージしやすい説明だと、こんな感じになります。
「ソブリン」と「ハイイールド」の危険な体験談
一般的に運用の世界で債券は、株式などに比べて「リスクが低い」と言われています。
しかし債券の中でも、前途したようにソブリン債やハイイールド債など、リスクに違いはあります。
しかし、一口に「リスクが低い」というイメージの影響で、私が証券マン時代にはこんな事がありました。
他社で運用している方で、ハイイールド債の投資信託を保有している方。
「ソブリン債とハイイールド債って、どっちも同じ債券でしょ?」
「以前個人向け国債や社債を買ったことがあるんだけど、この投資信託(ハイイールド債)も中身は同じようなものよね?」
ソブリン債とハイイールド債はそれぞれの見出しで説明したように、全然違う債券です。
※今回の記事では、債券単体か投資信託で持っているかは置いておきます。
しかしながらこのケースのように、「債券」で一括りに認識している方が、非常に多かったです。
まとめ:似ているけど違う2つの債券
今回の記事では、
・ソブリン債の解説
・ハイイールド債の解説
・2つの債券の違い
について解説しました。
「国債」などの、世界各国の政府や国際機関などが発行する債券が当てはまる。
「ソブリン債などに当てはまらない国債」なども、一定の格付け以下でハイイールド債に当てはまる。
2つの債券は、このような違いがありました。
今後勉強のメインになってくるであろう投資信託の分野で、この2つは対義語のような使われ方もしています。
しかし、現に資産運用をしている方で認識が混合してしまっている方も多いと分かりました。
今回の記事に関しては、「知らないと損の時代」というよりも
「知らないと危ない事例」です。
しっかりと区別を付けて、将来の自分の資産を守れるようにしましょう。
また、途中でも出来ている「投資適格債」や「投機的格付債(投資不適格債)」は、次に解説する格付けについてと内容がリンクします。
必ず合わせて覚えるようにしましょう。
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