【個別元本と分配金】投資信託の肝!普通分配金と特別分配金(元本払戻金)の違い

④投資信託の基本
この記事は約6分で読めます。

投資信託で得る事が出来るインカムゲイン「分配金」

この分配金には、普通分配金特別分配金の2種類があります。

実際に投資をしていると分配金の報告書が送られてきて、内訳も見る事も出来ます。

 

普通分配金と特別分配金、いずれにしても分配金は貰えているので気にしていない方も多いのですが・・・

この2種類の分配金は、全く違う意味を持つものになります。

その為、しっかり学んでおきたい部分です。

 

また、投資信託には「個別元本」という考え方があります。

分配金と個別元本には密接な関係があるので、合わせて覚えておく必要があります。

 

という訳で今回の記事では、
・個別元本とは
・普通分配金と特別分配金(元本払戻金)とは
・分配金と個別元本の関係
について解説していきます。

 

「2種類の分配金は、違うものなの?」

「投資信託の仕組みを知っておきたい」

そんな方は、是非こちらの記事を参考にして下さい。

 

また、

「投資信託を買おうと思ってる!」

そんな方は、買う前に絶対読んでください!

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個別元本とは

まずは、個別元本から簡単に説明します。

一言で言うと、個別元本は投資信託を購入した際の基準価額です。

また、個別元本は、
・運用が始まる前(当初募集期間)
・運用をされている期間
どのタイミングでも購入が出来る、「追加型投資信託」という投資信託に対して適用される概念です。

多くの投資信託が、この追加型投資信託と呼ばれるものです。
「いつでも購入可能だよ」っていう商品ですね。
これに対して、当初募集期間でしか買えない「単位型投資信託」というものもあります。
簡単に言うと、運用をする元となるお金の事ですね。
元本の部分は、元本保証などで使われる「元本」と同じ意味です。

 

これだけ見ると簡単なお話しなんですが、

この個別元本、
・同じ投資信託を追加で購入した際
・特別分配金を支払った際
これらのタイミングで、価格が変動します。

追加で購入した際の計算方法は簡単なので、紹介します。

個別元本の計算例

[追加で購入した際の個別元本の計算方法]

投資信託Aを、1万口あたり基準価額10,000円で10万口購入。
個別元本は、10,000円

その後、投資信託Aを1万口あたり基準価額9,000円で10万口追加購入
(10,000円×10万口+9,000円×10万口)÷20万口=9,500円
合計20万口分の個別元本は、9,500円となります。

このように、計算方法は個別元本を口数で平均しているだけです。

普通分配金と特別分配金(元本払戻金)とは

次は、普通分配金特別分配金(元本払戻金)について簡単に説明します。

簡単に言うと
・「普通分配金」は、利益
・「特別分配金(元本払戻金)」は、元本が払い戻されている=利益では無い
これが、2つの分配金の仕組みになります。

 

また、投資は利益を出すと税金がかかる為、
・普通分配金は課税される
・特別分配金(元本払戻金)は課税されない。非課税
という事にもなります。

ちなみに、特別分配金と元本払戻金は同じ意味の言葉です。
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分配金と個別元本の関係

個別元本と普通分配金・特別分配金(元本払戻金)について分かった所で、
・どのような場面で、普通分配金か特別分配金になるのか
・その時の個別元本の動き方
この2点を、3つのケースで見てみましょう!

普通分配金が出たパターン

「分配金が出た後の基準価額」が、自分の個別元本と同じかそれ以上の場合は、分配金すべてが普通分配金

パターン①

 

パターン②

基準価額が増えても、個別元本は増えません。
個別元本は、追加購入した際に増えます。

特別分配金が出たパターン

「分配金が出た後の基準価額」が、自分の個別元本以下だった場合は、下回った分が特別分配金(元本払戻金)

パターン①

 

パターン②

決算時の基準価額が、個別元本を下回っていた場合。
個別元本は、特別分配金(元本払戻金)の分だけしか減りません。
個別元本>基準価額
このようになる場合もあります。
特別分配金(元本払戻金)が出ると、個別元本は下がる。
下がる個別元本は、特別分配金の分だけ。
という事は、合わせて押さえておきましょう。

普通分配金と特別分配金が合わさったパターン

普通分配金と特別分配金(元本払戻金)が合わさった場合のイメージ

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まとめ:利益か否かで名称が変わる

今回の記事では、
・個別元本とは
・普通分配金と特別分配金(元本払戻金)とは
・分配金と個別元本の関係
を解説しました。

個別元本とは、「追加型投資信託」対して適用される
投資信託を購入した際の基準価額
投資信託の追加購入・特別分配金の支払いで、個別元本は変動する
普通分配金は、利益
特別分配金(元本払戻金)は、元本が払い戻されている=利益では無い

簡単にまとめると、このようになります。

 

投資信託で分配金の仕組みを理解していなく、解約した時に多大なる損失を出してしまうケースがあります。

例としては、

沢山分配金が入ってくる投資信託があり、
その分配金だけで、「魅力的!」と判断して選んでみたものの・・・
実は分配金を出しすぎている投資信託で、ほとんど特別分配になってしまい

このように悪い循環に入ってしまう
→結果、基準価格の下落で、多大なる損失を出してしまう。

こんなケースです。

せっかく運用していても、こうなったら悲しすぎますよね。

 

しかも、普通分配金と特別分配金(元本払戻金)は、支払われる際は合算して支払われます。

報告書にはきちんと内訳が載っているのですが、

「そんなの見たってわからないよ!」

という方も実際多いので、知らぬ間に例のようなケースに陥ってしまう事も多い訳です。

怖い話です。

 

もちろん分配金が普通分配金になるか特別分配金になるかは、投資信託を買うタイミングにもよります。

その為、特別分配金が出たからと言って、即アウトという訳ではありません。

しかしこの普通分配金と特別分配金の仕組みを知っていれば、”適切に”所有している投資信託の健康診断などを行えるのです。

 

・将来このようなケースに陥らないために、
・投資信託で運用を行う際に、自分に合った商品を選べるように
普通分配金と特別分配金(元本払戻金)について知っておくことは、非常に重要です。

ここまで理解できれば、投資信託の仕組みや基礎のところは概ねOKと言えると思います。

是非今回の記事の、2種類の分配金の違いは覚えておきましょう。

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