【投資信託でよく見る】債券ファンドのハイイールド債・ソブリン債って何?

③債券の基本
この記事は約7分で読めます。

資金の調達手段の一つである「債券」

一番身近にある債券の例では、個人向け国債などの「日本国債」が挙げられます。

しかし、身近にある国債以外の債券は、名前すら聞いたことがないという方も結構多いです。

投資の経験がある方でも、地方自治体が発行している県債や一般企業が発行している社債などをご存知な方もいるかもしれませんが、その辺りまでだと思います。

 

では、国債など以外では、どのような債券が身近に出てくるかというと
・ソブリン債
・ハイイールド債
など、聞いただけでは「なんだそれ?」という物が出てきます。

債券は、国などが発行する場合「(国名)国債」のように、分かり易い名前の物が多いですからね!

 

そんな「ソブリン債」や「ハイイールド債」がどのような場面で出てくるかというと、高校生の金融教育のメインになってくるであろう“投資信託”です。

 

という訳で、今回は投資信託でよく使われる
・ソブリン債
・ハイイールド債
・2つの債券の違い
この3つについて解説していきます。

 

是非、投資信託の分野に入る前の債券の分野で、覚えていただけたらと思います。

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ソブリン債って何?

まずソブリン債について説明します。

ソブリンとは英語で「sovereign」と書き、「主権者」「君主」「国王」などの意味を持ちます。

月並みな言葉で表してしまいますが、ソブリンの意味って「なんかすごそう!」

 

ソブリン債とは、そんなすごそうな方たち

世界各国の政府や政府関係機関、国際機関によって発行される債券の事です。

 

一番分かり易いソブリン債と言うと、以前解説した個人向け国債などの「国債」です。

ソブリン債は、そういった利率は低いが信用力が高い債券に当てはまる為、「投資適格債」に分類されます。

投資適格債とは
債券の発行体が、債務不履行になるリスクが低い債券の事。
信用力が高いので、「投資(が)適格(な)債(券)」という読んで字のごとくという債券です。
具体的には格付けが関わってくるので、こちらをご参照ください。
債券の格付って何?無登録格付って大丈夫?覚えておきたい4ポイント
資産形成や資産運用で、比較的リスクの低い運用商品と呼ばれる「債券」 しかし、債券なら全て低リスクという訳ではありません! ハイイールド債のように、高い利回りを求める為に高いリスクを取る債券もたくさんあります。 しか...
国の経済状況などによっては、債務不履行等になる可能性が比較的に高い場合もあります。
一般的にソブリン債という言葉は、国債であろうとそういった国を除外して使う事が多いです。

ハイイールド債って何?

次にハイイールド債について説明します。

ハイイールドは英語で、「high yield」と書きます。

イールド(yield)が金融では「利回り」という意味を持ちます。

 

つまりハイイールド債とは、「高い利回りの債券」という事になります。

この説明だけ受けると「利回りが高いなら、ハイイールド債は良い債券だね!」と感じるでしょう。

 

しかしこのハイイールド債と呼ばれるものは

発行元の信用度(格付け)が低い

のです。

その為このハイイールド債は、「ジャンク債」という呼ばれ方もしたりします。

 

ハイイールド債(ジャンク債)は、そういった利率は高いが信用力が低い債券が当てはまります。

また、ソブリン債は投資適格債なのに対し、
ハイイールド債は「投機的格付債」「投資不適格債」と言われます。

国の経済状況などでソブリン債などに当てはまらない国債なども、一定の格付け以下でハイイールド債に当てはまります。
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2つの債券は、リスクと利回りに違いがある

ソブリン債などの「投資適格債」ハイイールド債などの「投資不適格債」は、リスクと利回りの関係的に、正反対になります。

ソブリン債などの[投資適格債]
債務不履行などのリスクが低い代わりに、利回りが低い。
ハイイールド債などの[投資不適格債]
債務不履行などのリスクが比較的に高い代わりに、利回りが高い。
債務不履行のリスクの事を、デフォルトリスクとも呼びます。

 

まとめて改めて見ると、2つの債券はリスクと利回りの関係的に正反対と分かりますね。

この部分は資産形成や資産運用をする際に、とても大切になってきますので絶体に覚えておきましょう。

リスクと利回りの関係

ここまで読んでいただくと

「何故デフォルトリスクが高いと、利回りも高くなるの?」

逆もしかりですが、こういった疑問が湧くと思います。

イメージがつきやすいように、簡単な例を挙げて説明します!

 

(例)

Aというお金持ち
Bというあまりお金を持っていない人

2人がいたとして、それぞれが100万円貸してくれと言ったとします。
(お金持ちはお金を貸してくれなんて言わないよ?という疑問は持たないでください笑)

どちらも1年後に「110万円」にして返すと約束をしてくれた時、どちらに貸しますか?

 

ほぼ全員、Aさんに貸すという答えになるでしょう。

理由は、Bさんに比べてAさんはお金持ちで、ちゃんと返してくれる可能性がBさんに比べて高いから。

BさんはAさんに比べて、経済的な信用力が無いためこのような結果になってしまう訳です。

 

では、Bさんがお金を借りる為にはどうすればいいかというと・・・

1年後に貸してくれたお金を、150万円にして返すよ!と、Aさんより多く返すことを提案すれば良いのです。

そうすると、
・安全に貸したいなと思う方は、Aさん
・リスクは大きいけど、儲けたいなと思う方は、Bさん
に貸すという2択に分かれると思います。
人それぞれになるわけです。

 

お金持ちのAさんは、ソブリン債などの投資適格債
お金が無いBさんは、ハイイールド債などの投機不適格債(投機的格付債)

すごく簡単にイメージしやすい説明だと、こんな感じになります。

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「ソブリン」と「ハイイールド」の危険な体験談

一般的に運用の世界で債券は、株式などに比べて「リスクが低い」と言われています。

しかし債券の中でも、前途したようにソブリン債やハイイールド債など、リスクに違いはあります。

また、投資信託の分野で詳しく解説しますが、
債券単体で買うor債券運用の投資信託で買う
これらによっても、大きな違いがあります。

 

しかし、一口に「リスクが低い」というイメージの影響で、私が証券マン時代にはこんな事がありました。

 

他社で運用している方で、ハイイールド債の投資信託を保有している方。

「ソブリン債とハイイールド債って、どっちも同じ債券でしょ?」

「以前個人向け国債や社債を買ったことがあるんだけど、この投資信託(ハイイールド債)も中身は同じようなものよね?」

 

ソブリン債とハイイールド債はそれぞれの見出しで説明したように、全然違う債券です。
※今回の記事では、債券単体か投資信託で持っているかは置いておきます。

しかしながらこのケースのように、「債券」で一括りに認識している方が、非常に多かったです。

かなり、危ないですよね・・・
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まとめ:似ているけど違う2つの債券

今回の記事では、
・ソブリン債の解説
・ハイイールド債の解説
・2つの債券の違い
について解説しました。

ソブリン債は、利率は低いが、信用力が高い(デフォルトリスクが低い)債券
「国債」などの、世界各国の政府や国際機関などが発行する債券が当てはまる。
ハイイールド債は、利率は高いが、信用力が低い(デフォルトリスクが比較的に高い)債券
「ソブリン債などに当てはまらない国債」なども、一定の格付け以下でハイイールド債に当てはまる。

2つの債券は、このような違いがありました。

 

今後勉強のメインになってくるであろう投資信託の分野で、この2つは対義語のような使われ方もしています。

しかし、現に資産運用をしている方で認識が混合してしまっている方も多いと分かりました。

 

今回の記事に関しては、「知らないと損の時代」というよりも
「知らないと危ない事例」です。

しっかりと区別を付けて、将来の自分の資産を守れるようにしましょう。

 

また、途中でも出来ている「投資適格債」や「投機的格付債(投資不適格債)」は、次に解説する格付けについてと内容がリンクします。

必ず合わせて覚えるようにしましょう。

 

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