身近な企業の株が値上がり・値下がりしたケース~コロナウイルス編

第二章-1:株式の基本
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株価は取引時間中、常に変動しています。

この性質を利用して、資産運用を行うわけです。

よく証券マン時代に問いかけられた質問があります。

 

「株ってどういう時に上がるの?」

 

この質問を受けた時に、僕は待っていましたとばかりに色々な角度から話し続けます。

 

外交や選挙などの政治・企業の業績・企業が出したニュース・海外の金利がヘッジファンドが・・・

お客様は、「ポカーン」状態です。

実際、経営者の方にしか人気はありませんでした。笑

 

話を戻すと、それだけ「どんな要因で上がるのか?」は、重要な問題なわけです。

しかし深く考えれば考えるほど、色々要因が絡まってくるので大変です。

 

そこで今回は、私たちの身近な企業の株価が値上がり・値下がりしたケースを、過去の例を使って単純に振り返ってみます。

 

第1弾として、今回のコロナウイルスの後、追い風になり上昇した企業と向かい風になり戻りが遅くなってしまった企業

 

この記事を読めば実際の授業でも、

・株価が上がる要因
・株価が下がる要因

を分かりやすくイメージしやすいように解説できると思います。

「巣ごもり」して「あつ森」した任天堂

 

世界を震撼させた、コロナウイルス。

現在でこそ少しずつ「リモートワーク」などが出てき始めて、パラダイムシフト(今まで当たり前だった価値観や思想が、劇的に変化する事)が起こり始めています。

また、「ワクチン」なども接種が開始され始めて、だんだん未来が見えてきたような感じがします。

 

しかし、コロナウイルスが流行し始めた当初、株価は暴落し、緊急事態宣言は発令され、世界崩壊のような空気も流れ始めました。

その中でもひときわ目立った日本株があります。

 

任天堂(東証1部 銘柄コード:7974)です。

「巣ごもり需要」という新しい需要が生まれ、そのタイミングでNintendo Switchのゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」

通称“あつ森”

が爆発的にヒットして話題になりました。

コロナショックから、株価は○○%上昇

 

あつ森を筆頭にNintendo Switchで巣ごもり需要の筆頭銘柄となった「任天堂」

コロナショックの安値から、何%上昇したのでしょうか?

 

2020年1月6日の株価始値(コロナショック前の株価)
43,010円
コロナショックの安値
31,880円(2020年3月13日)
コロナショック後の高値
67,880円(2020年12月17日)
2020年12月30日の終値
65,830円
※2020/1/6~2020/12/30までのデータ

なんと年間の上昇率は、約53%です!

コロナ禍なのに、これはすごい!

安値から高値の上昇率で見ると、約112.9%!

2021年3月26日終値現在も、64,250円と株価は好調です。

 

[日経平均との比較]

もちろんコロナという経済全体を揺るがす未曽有の事態なので、株式市場全体も暴落した後は戻しています。

同期間の日経平均株価と比べてみましょう。

2020年1月6日の株価始値(コロナショック前の株価)
23,319.76円
コロナショックの安値
16,358.19円(2020年3月19日)
コロナショック後の高値
27,602.52円(2020年12月29日)
2020年12月30日の終値
27,444.17円
※2020/1/6~2020/12/30までのデータ

年間の上昇率は、約17.6%です

安値から高値の上昇率で見ると、約68.7%!

 

2021年3月26日終値現在も、29,176.70円と株価は好調を維持していますが、任天堂と比べると、一目瞭然で任天堂の方が上がっていますね。

 

元々、任天堂はかなりの優良会社です。

その上、

コロナで家にいなきゃいけない=ストレスがたまる
→ゲームで解消だ!

というロジカルが成立したことと、

あつ森以外でのゲーム「リングフィット」など体を動かすもので

コロナで外に出れない=運動不足になる
→ゲームで解消だ!

というロジカルも同時に成立したことが、株価の上昇に繋がった一因でしょう。

コロナ禍で厳しくなった空運業界

 

任天堂と同じタイミングでも、2020年は下落したままの株式もありました。

 

皆さんも知っている企業だと、空運業界の

JAL(東証1部 銘柄コード:9201)

ANA(東証1部 銘柄コード:9202)

です。

 

そりゃそうですよね。

海外旅行どころか緊急事態宣言で、国内旅行すらできない状況が続いたわけですから。

コロナショック後も、JAL、ANAとも株価は戻り切らず

 

空運で代表的なJALとANA。

コロナ禍でどのような動きをするのでしょうか?

[JAL 9201]

2020年1月6日の株価始値(コロナショック前の株価)
3,375円
コロナショックの安値
1,556円(2020年11月9日)
コロナショック後の高値
3,487円(2020年1月10日)
2020年12月30日の終値
1,995円
※2020/1/6~2020/12/30までのデータ

年間の下落率は、約40.8%です

 

[ANAHD 9202]

2020年1月6日の株価始値(コロナショック前の株価)
3,600円
コロナショックの安値
2,060円(2020年4月6日)
コロナショック後の高値
3,674円(2020年1月20日)
2020年12月30日の終値
2,277円
※2020/1/6~2020/12/30までのデータ

年間の下落率は、約36.7%です

 

年間の安値からは少し戻しましたが、2020年は任天堂と違って下落で終わったJALとANA。

これだけ人の行き来が制限されれば、当然の結果ですね。

またこの2社は財務状況も厳しく、増資(株を追加で発行してお金を調達する行為)をすることになりました。
※JALは発行している株式より約30%増、ANAは発行している株式より約40%増

 

増資って何?
企業が資本金を増加させる行為です。
何らかの理由でお金が必要となった時、株式を追加で発行して、投資家からお金を集める事が一般的です。
発行されている株式が増えるという事なので、需要と供給の悪化の原因になります。
「新しい事業をする!」など景気が良い時にはそこまで気にされない事もありますが、景気が悪い時などは株価が下落してしまうケースもあります。
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2021年3月26日終値現在は、JALは2,459円、ANAは2,564円と株価は少し戻しています。

決算が出たことと、売られた株が買われる流れが(バリュー相場)があった事などが要因でしょう。

しかし、コロナで需要が高まった任天堂と比べると、難しい状況ですね。

同じコロナ禍でも、上昇する会社と下落する会社がある

 

身近な企業で、イメージをしやすい共通のコロナウイルスという出来事を使って、株価が上昇した会社と下落した会社を示しました。

どちらもコロナショックでは下落しましたが、

任天堂は、Nintendo Switchが巣ごもり需要の追い風となって株価は上昇
JAL、ANAは、人の行き来が制限されて、株価が元に戻り切らず

 

同じ状況でも、会社によってこんなに違うんです。

株式市場はこのような条件が他にも複雑に絡み合って、上下しています。

しかし、裏を返せば絡み合っている一つ一つの事例は、しっかり理解できるレベルの事も多いです。

理解できるようになると、パズルみたいで楽しいという生徒さんも出てくるでしょう。

 

今回の様に実例を使う事で、分かりやすい授業になると思います。

是非、参考にして下さい。

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