【投資の前に支出も知ろう】人生の3大費用って何?~正答率50%以下の金融知識

①勉強理由・基礎知識
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皆さん、「人生の3大費用」もしくは「人生の3大出費」って聞いたことありますか?

この中から3つ選んでみてください。

1.介護費用
2.住宅費用
3.自動車費用
4.教育費用
5.老後費用
6.医療費用

このような金融リテラシーを問われるような問題を、金融広報中央委員会という機関が調査をしています。

※実際は、3つ組み合わさっている例が3種類出てきて答える3択問題

 

気になる正解は

2.住宅費用
4.教育費用
5.老後費用

です。

金融広報中央委員会が実際に行った[金融リテラシー調査2019年]では、

これに類似した問題の正答率が47.4%でした。
(参考:金融広報中央委員会-金融リテラシー調査2019年)

 

これが高いか低いかは人によって感じ方があると思いますが、今後の人生でどんなことにどれくらいお金がかかるかは押さえておかなければなりません。

どんな項目で、いくらくらいかかるか分かっていれば、ある程度「計画的に困らずに人生を送る為の第一歩」になるからです。

 

そこで今回の記事では、
・3大費用の種類(住宅費用・教育費用・老後費用)
・それぞれどのくらいの費用がかかるのか?
・知っておくとお得な制度
を紹介します。

おそらくこの話は、金融教育の授業でマストで出てくると思います。

 

お金について教える事になる、先生や親御さんはもちろんの事、

結婚など3大費用についてお考えになるタイミングの方も、是非参考にして下さい。

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住宅費用

 

まずは三大資金のうちの一つ目「住宅費用」です。

 

巷ではよく、”一生賃貸”VS”家を購入”の論争が勃発しています。

・家族は全員で何人になる予定なのか
・仕事は転勤が多いのか少ないのか
・実家を継ぐ予定はあるのか etc.

様々な要因がある上に、災害リスクがある土地なのかどうか(日本は地震大国の為)を考えなければ、この論争は決着がつきません。

なおかつ人それぞれです。

 

人それぞれな議論なのにも関わらず、いたるところで取り上げられているというのは、それだけ住宅費用は皆さんを悩ませるほどの費用が掛かるという事ですね。

 

では実際、どのくらい費用がかかっているのかというと、

建売住宅の平均購入価格は約3,340万円
マンションの平均購入価格は約4,350万円
(参考:住宅金融支援機構「2017年度フラット35利用者調査」より)

との事でした。

とんでもなく高いです。笑

 

その為皆さん、大体ローンや貯蓄、もしくは贈与(両親から資金援助をしてもらう)で資金を作ります。

そして資金を用意をする際には、税金の控除などを受ける事が出来る制度があります。

簡単に紹介します。

紹介する内容としては、少し難しいものになります。
実際の高校生に向けた授業では制度に関して触れるならば、住宅の購入費用の平均や、知っているとお得な制度もあるという程度になるでしょう。

財形住宅貯蓄

 

働いている方(55歳未満)の方が入れる。
5年以上の積み立てが必要。
550万円まで非課税。
1年以上且つ50万円積み立てていれば、残高の10倍まで&住宅取得費用の80%までのローンが組めます。

住宅ローン控除(減税)

 

新築住宅や中古住宅購入、リフォームや増築をする際にローンを組むことが多いです。

その際に一定の条件に当てはまれば、一定期間毎年末に住宅ローン残高の1%が所得税から控除されます。
(控除期間は、適用税率・居住開始時期によって変わります。)

住宅取得等資金の贈与の非課税

 

平成27年1月1日から令和3年12月31日までの期間に、両親や祖父母など(直系尊属)から受けた住宅の新築や取得、増築等費用が非課税になる。

住宅の種類や契約の締結日等によって、非課税の金額は変わります。
(最大3000万円)

贈与とは、人からお金をもらう事です。実は人からお金を貰うと、金額に応じて税金を納めなくてはなりません。
しかし、年間110万円までは非課税なので、それ以下ならば税金はかかりません。
(贈与税の基礎控除)
ちなみに・・・
ここで紹介している「住宅取得等資金の贈与の非課税」と贈与税の基礎控除は併用が可能です。
最大で、3110万円までは非課税になるという計算になります。

 

教育費用

 

二つ目は、教育費用です。

 

よく「子供一人の教育費は1000万円かかる」なんていうように言われます。

しかしこれは、これは幼稚園から高校まで公立に通って大学だけ私立に行った場合の話。

この場合だと約1049万円になります。
(参考:文部科学省「子供の学習費調査(平成28年度)」「私立大学等の平成29年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」より )

 

これがALL私立の場合だと、なんと約2400万円。
(参考:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」独立行政法人 日本学生支援機構「平成28年度学生生活調査結果」文部科学省「平成22年度国立大学の授業料、入学料及び検定料の調査結果について」「平成30年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金の調査結果について」より)

とんでもなく差があります。

 

子供に「公立に行きなさい!」という親御さんの気持ちも分からなくないです。

こちらの資金は、貯蓄や学資保険、贈与(教育資金贈与信託)、中には運用で作っている人もいますね。

簡単に説明します。

児童手当制度(お得な制度)

 

中学卒業までの児童を養育されている方が支給対象。

所得や子供の年齢などによりますが、月額5000円~15000円支給されます。

教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置(お得な制度)

 

祖父母や親から学校の入学金や授業料などの教育目的の資金を、一括で1500万円を上限に贈与で受け取る際、非課税になる制度。令和3年の3月で終了予定だったものが、要項が見直されて令和5年3月31日まで延長になりました。

銀行などでやっている教育信託ってやつですね。

学資保険(よく使われる貯め方)

 

保険の一種です。

教育資金を積み立てていくことが出来、少しだけ利率が付きます。

契約者(親など)が積み立てをしていくのですが、死亡保障をつけておけば、契約者が亡くなってしまっても、そこからの払い込みは免除になります。子供も予定通り学資金を満額受け取ることが出来ます。

 

しかし、途中何らかの理由で解約すると、元本は割れやすいです(マイナスになりやすい)。

ジュニアNISA(よく使われる貯め方)

 

子供の名義で、お金を運用できます。

毎年80万円まで非課税で運用できます。

ただし、子供が18歳になるまで引き出し制限があり、それまでに引き出すと課税になってしまいます。

2023年で制度は終わりますが、それ以降は18歳の引き出し制限がなくなります。

今この時期だけは、ジュニアNISAはとても使えておススメです。

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老後費用

 

三大資金の三つ目は、老後の資金です。

こちらは前にお話しした、年金2000万円問題とダイレクトに関係しています。

 

具体的に説明すると

退職後の夫婦世帯は、月平均26万円支出があります。
(参考:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)」平成30年家計の概要より)

退職後の収入は年金だけだと仮定して、

厚生年金 令和元年度 約14.6万円
国民年金 令和元年度 約 5.6万円
(参考:厚生労働省年金局 令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況より)

収入は、毎月約20.2万円しかない訳です。

 

そうなると、

支出の面

65歳~95歳までの生活費
26万円×12ヵ月×30年=9360万円

収入の面

年金額
14.6万円+5.6万円×12ヵ月×30年=7272万円

差し引きすると?
9360-7272=2088万円

 

色々なところからデータを引っ張ってきている為誤差は出ますが、やはり約2000万円足らない訳です。

年金2000万円問題のレポートでは、『現在、高齢者の体力レベルは先進国より高く、60歳以上の仕事をしている方の半数以上が70歳以降も働きたい』とアンケートにて答えています。
(参考:金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」11Pより)

 

このアンケートでは、

「仕事が好きで働きたい!」

という人もいると思います。

 

しかし先ほどの計算を見ると、

「働かないと生活が厳しいから働く」

というのが、本音なのではないでしょうか?

 

しかも自分たちの生活だけでなく、定年後の第2の人生を楽しむ為や、かわいい孫にお小遣いをあげるなどをすると、支出はより重なってきます。

実際の授業では、老後の収入と支出の計算をして、年金2000万円問題の話をするのが良いでしょう。

 

まとめ:3大費用は誰の人生でも関わってくる

今回の記事では、
・3大費用の種類(住宅費用・教育費用・老後費用)
・それぞれどのくらいの費用がかかるのか?
・知っておくとお得な制度
を解説しました。

 

人生の3大費用は、誰の人生にでも関わってきます。
(最近は結婚しない方も増えてきましたが)

単純ですが、世間の半数以上が知らない3大費用。

これを覚えていると、経済的な人生設計の助けになります。

現代の若い方が「結婚しない&子供を作らない」事は、経済的な問題があるというのも要因の一つでしょう。

それを改善する為の金融教育とも言えるわけです。

是非、参考にして下さい。

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