資産形成・投資について学習すると、どんな力が身につくと思いますか?
もちろん、
・運用の知識
・お金の知識
・経済の知識
などは身につきます。
しかし、それ以外にもとても大事な能力も身につくのです。
その能力は、”シナリオを立てる能力”
この能力は、投資だけでなく人生で大きな選択をする時の助けになる力です。
お金以外に実生活にとても役立つ能力が身につくとなると、是非高校生のうちから学んでおきたいです。
早いうちから身に付けることがお勧めですが、もちろん大人になってから身につけても、遅くはありません。
今回の記事では、そんな
・シナリオを立てる能力
について、具体定を挙げながら、解説していきます。
投資について学習している方や、これから学習される方は、是非参考にして下さい。
シナリオを立てる能力とは
シナリオを立てる能力といっても、はてなマークが出てしまうと思います。
近い所で言うと、出来るビジネスマンなどがよく言う「論理的思考(ロジカルシンキング)」や、若干ですが「仮説思考」にも近いと思います。
といってもなかなかイメージし辛いと思うので、ケーススタディをしてみましょう!
投資での例
まずは、投資においてのシナリオを立てる能力を考えてみます。
最近の出来事、コロナウイルスで考えてみましょう。
(※資産運用でシナリオを建てるのは、色々な情報媒体から経済指標や過去の事例、統計、識者の考えなどを合わせて考えています。複雑な話になるので、ここではイメージが湧きやすいように簡略化してお話します。ご了承下さい)
2020年1月頃、中国・武漢で肺炎が流行り出しました。
春節も近かったので、日本に入ってこないか不安でしたね。
その後、クルーズ船で日本での感染者というような流れになりました。
当時は世界中でこんなに流行るかなんて、誰も見当がつきませんでした。
このコロナウイルスで、2つシナリオを立ててみます。
1つ目のシナリオで考えるのが、2003年に流行ったコロナウイルスのSARS(サ―ズ)。
SARSは、2003年の3月下旬に中国で流行し始め、7月5日にWHOが終息を宣言しました。
ここで、一つの前例に習った
1.「コロナは7月で終息する」というシナリオができるわけです。
その時の株価は、V字回復しているんですね!
その為、1のシナリオは暴落した時に業種を絞らなくても、株式市場全体を買うという選択ができます。
2つ目のシナリオで考えるのが、コロナウイルスがものすごく凶悪なウイルスで、7月に収まるどころではなくずーっと蔓延してしまうというもの。
実際にそうなりました。
ここで
2.「コロナウイルスはSARSのようには終息しない」というシナリオができます。
2のシナリオは前例がありません。
その場合、ウイルスが長く続くわけですから、ワクチンやマスクなど投資先は色々考えられます。
また、リスクを考えて投資をしないという選択肢もあります。
ものすごく簡単に話しましたが、「もし〇〇になったら△△になるだろう」という考え方をいくつも用意して、ずーっと繰り返し続ける。
これがシナリオを立てる能力です。
実際にシナリオという言葉は、投資顧問会社(投資のプロの情報屋さん)などでも頻繁に使われます。
実生活での例-Betterな選択をしやすくなる
次に実生活において、投資のシナリオを立てる能力
「もし〇〇になったら△△になる」
を使ってみましょう。
高校生でいえば、卒業した後の就職か進学かです。
これでシナリオを2つ立ててみます。
実生活の場合は、シナリオを選んだ後のメリット・デメリットを羅列します。
就職をしたシナリオ
高卒で就職をすると、
・すぐにお金が稼げる
・好きな業界であれば、早めにチャレンジできる
この2点が特徴として考えられます。
この特徴で得ることが出来るメリットは
・好きな事にお金を使える
・家族がいる場合、すぐにでも自立できるor支えられる
・好きな業界で、スペシャリストになれる可能性が上がる(経験年数が増える為)
etc.
デメリットは
・一般的に、高卒と大卒では、生涯年収にかなりの差が出る
・大卒の方が、就職の選択肢が広がる
→社会的信用が、大卒の方が上
これらが挙げられるでしょう。
進学をしたシナリオ
進学をすると、4大であれば4年間時間的猶予ができる為、やりたい事がわからない方であれば4年間探すことが出来る。
・交友関係が広がる。
・専門的な事を、研究する時間ができる。
・就職活動の前のインターンシップ制度などを、どの大学も大体手厚くフォローしてくれる。
・社会的信用が増える
この4点が特徴として考えられます。
この特徴で得ることが出来るメリットは
・自分が将来何がしたいか見つかる可能性が上がる
・高卒に比べて生涯年収が上がる(データ的に)
etc
デメリットは
・入学に多額の費用が掛かる
・結婚が遅くなる可能性(大学在学中に結婚するのは、財政的に厳しい事が多い為)
これらが挙げられるでしょう。
※人の環境によってメリットデメリットは変わってきます。
その為、上で挙げた事柄は一つの例です。
このようにメリット・デメリットを一通り考えた後、
・守るべき家族はいるのか
・やりたい事は明確に決まっているのか
・資金的な問題はあるのか
と考え、
・就職をするシナリオ
・進学をするシナリオ
のどちらかを選ぶのです。
これにより、よりBetterな選択肢を選ぶ事ができるでしょう。
要は自分の将来を、パターン化して想像するのです。
まとめ:シナリオ別に考える力は、実生活にも共通している。
今回の記事では、
・シナリオを立てる能力
について、解説しました。
シナリオを立てる能力は、投資と実生活の2つの例でみたように
・論理的思考(ロジカルシンキング)
・若干ですが仮説思考
この2つの考え方にも近い能力です。
投資と実生活どちらに対しても有効に使える能力。
これを学ぶ事が出来る金融教育は、優れていると思います。
高校生の内から学べるのは、非常に羨ましい!
もちろんこの力は高校生だけでなく、先生やお父さんお母さんの仕事や日々の生活に役立ちます。
(今日キャバクラに行ったら、お気に入りの子が出勤しているから楽しいけど、帰ったら奥さんにコソコソしなきゃいけない。行かなかったら堂々と帰れるけど、お気に入りの子には会えなくて寂しい…どっちのシナリオがいいんだ…とか。笑)
是非、指導する側としても覚えておいていただけたらと思います。
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