【10分で分かる高校資産形成】株式で知っておきたい10の基礎知識[②株式の基本まとめ]

10分で分かる高校資産形成[まとめ記事]
この記事は約13分で読めます。

「資産運用」「資産形成」「投資」

このような言葉が出てきて、まず頭に浮かんでくるのは“株式”ではないでしょうか?

2022年4月から高校生を対象に始まる資産形成の授業でも、具体的に指導する題目の一つになるでしょう。

 

しかし、実際株式について教えるといっても、非常に大変です。

初めての科目な為、これから指導する先生自身も習ってこなかった訳ですからね。

また、実際に株式の取引経験がある方でも、株式についてきちんと理解していない方も非常に多いです。

その為最初は、
・株式とはどういったものなのか?
という“基本的な部分”から
・自分自身に、株式はどのように関係してくるのか?
という部分までを学んでおくことが大切でしょう。

こういったベースの部分を覚えれば、将来もし投資をするという方でも「仕組みすら分からない!」なんて事にはならないですからね。

 

という訳で今回の記事では、
・株式で知っておきたい基礎知識
を、10個の項目に分けて解説します。

※今回の記事は、[②株式の基本]のまとめになっています。
この記事だけでざっくり理解できるような構成にしておりますが、詳細を知りたいという方は、是非「詳細はこちら」の記事をご覧になってみてください。

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株式って何?なんで会社は上場するの?企業側と投資家側の目線

まず初めに知っておきたいことは、株式とは一体何なのか?という事です。

株式を簡単に説明すると、以下のようになります。

企業側から見ると
・融資など借金をする以外の“資金の調達方法”
→株式を発行して、事業を行うためのお金を集めます。
投資家側(株主)から見ると
・資金を出資している為に、“会社の事業を支援する手段の一つ”
・投資や資産運用などで、“お金を増やす手段の一つ”
※株を保有する人や団体を「株主」と呼びます。
企業・投資家共通で見ると
・株式を持つ株主は、会社のオーナー

このように、株式は企業側と投資家側で役割が異なる為、両方から見た説明が必要になってきます。

 

その為、

「株式について説明してください」

いきなりこんな質問が来たら、パッと説明できる方は少ないのではないでしょうか?

なんとなくわかっている方もいると思いますが、実際に具体的に説明するとなると、言葉に詰まってしまう方は多いでしょう。
なんなら金融機関の人間でも、準備をしないとしっかりは説明出来ない方もいると思います。

 

是非、株式を説明する際は企業側と投資家側の両方から説明するという事は、覚えておきましょう。

資産形成の前に覚えたい!株式の9つの基本ルール・知識

二つ目に知っておきたいことは、株式の9つの基本ルールと知識です。

[9つの基本ルールと知識は、こちら]
1.株式の基本的な購入単位は”100株”
2.株式には銘柄コードという”番号”が振られている
3.購入できる株式は、”上場企業”
4.株が買えるのは”証券会社”
5.株式は証券会社を通して”証券取引で売買”をする
6.取引時間は9時~11時30分、12時30分~15時
7.”株価”は「4本値」で表される
8.売買の成立の事を”約定”と呼ぶ
9.約定日と受渡日(自分の下に来る日)は違う

 

[1.株式の基本的な購入単位は”100株”]を具体例としてお話しします。

株式で投資をすることも、普段のお買い物と同じように“購入”“売却”をします。

普段のお買い物であれば、値札に「1,000円」と書いてあれば、1つ買うと当然1,000円を支払う事になります。

しかし、株式を買う時は違うのです。

よく、「○○会社の株価が、100円高の1,000円です」というニュースが流れますが、その会社の株を一口買ってみようとなると、用意するお金は1,000円ではなく100,000円必要なのです。

何故なら、日本の株価は1株あたりの値段が表示されますが、買い付けは”100株が一口”になるから。

でも米国は1株単位で買えます。

 

このように株式というのは、押さえておかなければならない”特殊なルール”がいくつもあるのです。

その中でも、株式の基本を学ぶ上で、最初に抑えておくべきルールや知識が、説明した9つの事という訳です。

「自分で株式を買った事がない!」

そのような方は特に、このルールは覚えておきましょう。

株主になると得られる、3つのメリット

三つ目に知っておきたいことは、株主になると得られる、3つのメリットです。

株を買った人は「株主」と呼ばれ、企業のオーナーの一人になります。

株主(企業のオーナー)になると、以下の3つのメリットを受けることが出来ます。

・配当金
・株主優待
・株主総会での議決権
配当金は、株主が受け取ることが出来る“現金”
企業が生み出した利益を株主に還元できる「株主還元」の一部。
株主優待は、株主が受け取ることが出来る“商品やサービス”
こちらも、「株主還元」の一部。
株主総会での議決権は、会社の経営などを決める「株主総会」という大切な会においての議決権
投票権のようなものです。
「株主還元」に関しては、実施している企業としていない企業があります。

 

株を買うメリットって世間一般的には、買ったり売ったりして儲けている「投資家」というようなイメージを持っている方がほとんどでしょう。

しかし、企業のオーナーな訳ですから、保有しているだけでもメリットはあるのです。

3つのメリットは、なんとなく知っている・聞いたことがあるよって方も多いのではないでしょうか?

 

株式の知識として、しっかりと押さえておきましょう!

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よく聞く”一部上場”って?身近なこんな企業も上場している!

四つ目に知っておきたいことは、よく聞く「一部上場」という言葉についてです。

一部上場とは、東京証券取引所の市場一部に上場している企業の事を指します。

 

少し詳しく説明すると、

東京証券取引所は現在
・東証一部(市場第一部)
・東証二部(市場第二部)
・マザーズ
・JASDAQ(ジャスダック)
4市場が運営されています。

その中の東証一部にカテゴライズされている企業という訳です。

 

よく、「一部上場はすごい」というイメージを持っている方もいらっしゃると思いますが、それは厳しい審査を合格した企業しか上場する事が出来ないからです。

つまり、一部上場企業は、平たく言えば「優秀な企業」と呼べるわけです。

その為、一部上場企業には、
・任天堂株式会社
・株式会社ファーストリテイリング(ユニクロの会社)
・ソフトバンクグループ株式会社
など、名だたる企業が並んでいます。
特に優秀な企業が集まっている為、「一部上場」という言葉は、よくニュースで聞くという事ですね!

 

是非、一部上場の意味は覚えておきましょう!

「一部上場って、言われてみればよく分からない」

「身近な企業が上場している具体例を知りたい!」

そんな方は、是非詳細記事をチェックしてみてください。

株が買えるのは日本だけじゃない!高校生が興味を持てる世界の上場企業3社

五つ目に知っておきたいことは、高校生が興味を持てる世界の上場企業3社についてです。

皆さんが、普段の生活でもよく使っているであろう以下のサービス

・Youtubeで動画を見たり
・Twitterを使ったり
・Amazonでお買い物をしたり
・これらのサービスを使うスマホはiPhoneだったり

実はこのサービスを提供している企業は、米国の株式市場に上場している企業なのです。

・YouTube→アルファベット
・Twitte→ツイッター
・Amazon→アマゾン・ドット・コム
・iPhone→アップル

このように、私たちの身近には、日本のみではなく世界中の株式市場に上場している企業のサービスが潜んでいます。

 

高校生も興味が持てる所を挙げてみると

・みんな使っている、Instagram
・海外サッカーチームのマンチェスター・ユナイテッド
・大人気アイドル「BTS」の事務所
etc.

このようなサービスを提供している企業が上場しています。

・Instagram→メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)
・マンチェスター・ユナイテッド→マンチェスター・ユナイテッド
・BTS→ビッグヒットエンターテインメント

 

実際の授業では、高校生に流行している事や利用しているサービスを例題に使うと、非常に楽しく興味がわく授業になると思います。

「楽しい授業がしたい」

「そもそも、自分が気になる!」

是非、今回取り上げた3社を含め色々な企業を取り上げてみましょう!

株式で得る事が出来る「2種類で3つの利益」

六つ目に知っておきたいことは、株式で得る事が出来る「2種類で3つの利益」についてです。

投資の基礎と言える“株式”

【キャピタルゲイン】
・売買差益を得る
【インカムゲイン】
・配当金を得る
・株主優待を得る

と、2種類で3つの利益を得ることが出来ます。

 

投資や資産形成において「利益」というものは非常に大切です。

しかし、投資先や商品によって利益の出し方の”細かい部分”は様々な為、それぞれしっかりと覚えておかなければなりません。

株式が出せる3つの利益はシンプルな為、しっかりと押さえておきましょう!

キャピタルゲインとインカムゲインは、株式以外の債券投資信託などの金融商品でも使われます。
株式でイメージを付けておきましょう!
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株価ってどうやって決まるの?どういう株が上がるの?3つのキーポイント

七つ目に知っておきたいことは、株価の決まり方どういった株が上がりやすいのかについてです。

まず株価の決まり方は、「価格優先の早い者勝ちの注文方法」「需要と供給」で決まってきます。

 

「価格優先の早い者勝ちの注文方法」とは、

・株価を指定する「指値」
・買いであれば、今出ている注文から一番安い注文
・売りであれば、今出ている注文から一番高い注文
で取引が出来る「成行」

注文方法には、基本的にこの2種類があります。

その上で、「同じ値段の注文は、早い者勝ち」となる。

これが、「価格優先の早い者勝ちの注文方法」という事になります。

 

「需要と供給」とは、

“同じ株式でも”様々な思惑で「買いたい人」「売りたい人」がいるという事。

 

この「需要と供給」のバランスで「価格優先の早い者勝ちの注文方法」により、株価は決まってくる訳です。

 

次にこの株価の決まり方からどういった株が上がりやすいかを考えると、需要が多く供給が追い付かない株が一つのパターンとして挙げられます。

もちろんこの考えがすべてでは無いです!
あくまでも基本的なパターンの一つで挙げられるという事です。

 

リアルタイムで上下する株価の”決まり方”を理解することは、基本でありながら非常に大切です。

是非、一つの基本として覚えておきましょう!

身近な企業の株が値上がり・値下がりしたケース~コロナウイルス編

八つ目に知っておきたいことは、株式はどういう時に値上がりや値下がりをするかについてです。

ここ最近の出来事を例に挙げると、コロナでの株価暴落後の動きです。

任天堂は、「巣ごもり需要」という新しい需要が出来てNintendo Switchにとって追い風になり、上昇
JALとANAという航空会社は、人の行き来が制限されて、株価が元に戻り切らず

同じコロナ禍という状況でも、企業によって株価の戻りに差が出来てしまいました。

 

今回は勉強の為なので、簡潔に説明しています。

実際にどういう時に上がるのか考える時には、様々な要因が絡まってくるので一口に説明するのは大変ですからね。

 

しかし簡潔にでも、過去に起きた事例を振り返って検証してみるという事は、株式の理解を深めるにあたって非常に重要な事でしょう。

「株ってどういう時に上がるの?」という質問は、証券マン時代にお客様から問いかけられた言葉No.1でしたから。笑

 

コロナのように全員が知っている事例を例に挙げて、実際の授業でも検証を行ってみる事がお勧めです。

よく聞く”日経平均株価”って何?概要と歴史を見てみよう!

九つ目に知っておきたいことは、日経平均株価の概要と歴史についてです。

日経平均株価とは、東証一部に上場している企業の中から、日本経済新聞社が225社を選んで構成している日本の代表的な株価指数です。
過去の歴史を簡単に振り返ると、このような数字が並びます。
・1950年9月7日から算出が開始
→再開当時の日経平均株価は、176円21銭
・過去最高値は、3万8915円87銭(1989年12月29日)
・過去最低値は、6994円90銭(2008年10月28日)

皆さんにとって、一番身近な”株価”は特定の企業では無く、この“日経平均株価”でしょう。

お昼や夜のニュースでも流れますからね!

 

しかし肝心の日経平均株価って、いったい何のことなのか分からない方も多いはず。

ですが実際の授業では触れる部分だと思うので、是非、概要と簡単な歴史は抑えて頂けたらと思います!

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【身近な資産形成】社会人の投資「持ち株会制度」のメリット・デメリットを分かりやすく

最後に知っておきたいことは、持ち株会制度についてです。

持ち株会制度とは、自分の会社の株を積立で購入できる制度です。

 

この制度には、従業員側企業側メリットやデメリットがあり

従業員側のメリットは、
・積立でリスク低減
・奨励金支給
・少額で行える
・勝手に資産形成してくれる
従業員側のデメリットは、
・自分の会社にすべて賭けている状態=1点集中投資になる可能性があるという事
企業側のメリットは、
・従業員が安定株主に
・従業員のやる気向上
・福利厚生

が挙げられます。

 

社会人になると関わってくる資産形成は、
・確定拠出年金(iDecoや企業型DC)
・GPIF(年金運用)
が挙げられます。

しかし、これらの投資先は、「日本全体の株式」「世界全体の株式」など大きな枠組みのもの。

特定の企業(任天堂やAmazonなど)への投資という意味では、勤務先の企業の持株会が初めてになることが多いでしょう。

しかし、社会人の大多数は「なんとなく、会社に勧められたから入った」という理由で、入会する方も多いと思います。

 

是非、自分に関係してくる投資として、持ち株会制度の概要とメリット・デメリットは抑えておくようにしましょう!

まとめ

今回の記事では、
・株式で知っておきたい基礎知識
を、10個の項目に分けて解説しました。

 

今回の記事を一通り読めば、株式とはどのような商品なのかが簡単に分かります。

高校生に対する授業を行う上では、十分なボリュームでしょう。

授業のメインになるであろう「投資信託」も理解しやすくなると思います!

より詳細をお知りになりたい場合は、是非各見出しの[詳細はこちら]の記事をお読みになってください。

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