【身近な資産形成】社会人の投資「持ち株会制度」のメリット・デメリットを分かりやすく

②株式の基本
この記事は約7分で読めます。

第一章で皆さんにとって資産運用や投資は、
・確定拠出年金(iDecoや企業型DC)
・国が運用している年金 など
強制的に関わってくるとお伝えしました。

この3点は「日本全体の株」や「世界全体の株」という、大きな枠組みとして関わってきます。

 

[身近な企業の株が値上がり・値下がりしたケース~コロナウイルス編]でお伝えした任天堂やAmazonなど「特定の企業の株式」は、自分の意思で投資をしようとする時に関わってきます。

では、この「特定の企業の株式」は、自分の意思で株に投資をしない限り関わる事は無いのでしょうか?

よく、「資産運用は興味があるけど、株はやらない」なんて方もいらっしゃいますからね。

 

実はこの「特定の企業の株式」、一般企業で働くと自然と関わってくる可能性が高いんです。

それは何かというと、「持株会制度」です。

 

という訳で今回の記事では、
・持株会制度とは何か?
・従業員にとっての持株会のメリット
・従業員にとっての持株会のデメリット
・企業にとっての持株会のメリット
を解説していきます。

 

持株会制度は、実際の授業でも触れる可能性は大きいでしょう。

将来積極的に資産運用しないという高校生の方も、聞いておいて損は無い内容になっています。

是非、参考にして下さい。

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持株会制度ってなに?

持株会(もちかぶかい)という言葉は、教師の皆さまよりも、お父さんお母さんの方が馴染みが有るのではないでしょうか?

持株会とは、自分が働いている会社の株を、毎月積立で少しずつ買っていくという会です。

上場している企業に限らず、未上場の企業も採用している所が多いです。

 

この持株会制度が導入されている理由は、従業員側にも企業側にもメリットがあるから。

しかし、資産形成という面では、デメリットになり得る点もあります。

従業員側・企業側両方の視点から、メリット・デメリットを見ていきましょう。

持株会のメリット-従業員側

持株会には、従業員にとって以下の4つのメリットがあります。

・積立でリスク低減
・奨励金支給
・少額で行える
・勝手に資産形成してくれる

実際の授業ではメリットまで教えるかは先生の裁量によりますが、教える側としては押さえておきましょう。

では、ひとつずつ見ていきましょう。

積立でリスク低減

従業員にとってのメリットの一つ目は、積立の為、リスクを低減できるという事です。

持株会は、基本的に「積立」で買付が行われます。

[第六章:運用方法]で詳しく説明しますが、積立で運用商品を買い付けるという行為は、リスクを低減する運用方法になります。

 

株式の事を詳しくない・興味が無い方もいらっしゃると思います。
そんな方にとってリスクを低減できる運用というのは、メリットになりますね。
他の運用で積立が行われている例では、idecoや確定拠出年金、積み立て投信など、資産形成世代(主に20代~30代など、資産を作っていく世代)が行う運用が多いです。

奨励金支給

従業員にとってのメリットの二つ目は、会社によっては奨励金が出るという事です。

持株会は、自身の会社の株主になるという事。

企業側のメリットとしてこの後書きますが、企業としても嬉しい事ですし、奨励したい行為です。

そのため持株会を行う社員に対しては、「奨励金」として買い付ける金額に10%プラスしてくれるなど、特典が付く会社が多いです。

少額で行える

従業員にとってのメリットの三つ目は、少額で行えるという事です。

上場している株式は、基本的に100株を1単元として買付をします。

そのため通常証券会社を通して株を買い付ける際は、1単元でも結構まとまった額になってしまいます。

 

しかし、持株会は単元のルールがありません。

そのため、1株という少額からでも積み立てる事が出来ます。

勝手に資産形成してくれる

従業員にとってのメリットの四つ目は、勝手に資産形成してくれるという事です。

持株会は、基本的に給料から天引きです。

つまり、勝手に資産が貯まっていく訳です。

もちろん株価は上下しますが、配当金が出ていれば対象にもなります。

やはり、勝手に・自動的にお金が貯まっていくという事は、非常に魅力的でしょう!

持株会のデメリット-従業員側

持株会には、従業員にとってのデメリットが1つあります。

それは、自分が所属している会社に自分の資産まで預けている為、自分の会社にすべて賭けている状態になっている事です。

[第六章:運用方法]で詳しく説明しますが、1点集中投資はリスクが高いです。

何故なら、集中している1点が倒産や業績悪化などしてしまった暁には、資産全体に大きなダメージになってしまう為です。

貯蓄を持株会のみしか行っていない場合、
・給料をもらう会社
・投資している会社
が同じになってしまう為、非常にリスクがあるといえるでしょう。
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持株会のメリット-企業側

持株会という制度は、従業員側だけでなく、企業側にも3つのメリットがあります。

・従業員が安定株主に
・従業員のやる気向上
・福利厚生
個人的には従業員側よりも企業側の方がメリットが大きいと思うので、簡単に解説します。

従業員が安定株主に

企業にとってのメリットの一つ目は、従業員が安定株主になるという事です。

企業にとって、継続的に安定して株主になってくれる人はとても貴重です。

この様な人を「安定株主」と呼びます。

持株会は、この安定株主と呼ばれる内の一つです。

なぜ、安定株主が大切なの?

安定株主がいると、買収されにくいなど複数のメリットがあります。

その中でも、持株会の株主が企業にとって特にメリットになるのは、「物言わない株主」だからです。

「物言わない株主」というのは、経営に口を出してこない株主の事です。

従業員は株主と言っても、会社の方針に概ね同意して働いている訳ですからね。

 

そんな方たちが株主(オーナー)なんですから、企業としては非常にやり易い訳です。

従業員のやる気向上

企業にとってのメリットの二つ目は、従業員のやる気向上に繋がるという事です。

株主には、株主還元というメリットがあり、その一つに配当金があります。

 

持株会も配当金の対象になるという事は・・・

従業員が頑張って業績を上げれば、配当金UPに繋がる!
持株会をやっていれば、配当金は自分に還元される!

というロジカルになるわけです。

 

その為、持株会は従業員のやる気向上という役割も担っています。

個人的な見解ですが、これには愛社精神も関わってくると思います。
現代は転職する事は最早当たり前で、なかなか配当金=やる気向上というロジカルは成り立ちにくいと感じます。

福利厚生

企業にとってのメリットの三つ目は、従業員の福利厚生になるという事です。

企業側としては、従業員に対して資産形成を促すツールになります。

その為、福利厚生の一環として謳う事が出来るのです。

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まとめ:持ち株会制度をやるきっかけは、なんとなく

今回の記事では、
・持株会制度とは何か?
・従業員にとっての持株会のメリット
・従業員にとっての持株会のデメリット
・企業にとっての持株会のメリット
を解説しました。

持株会とは、自分が働いている会社の株を、毎月積立で少しずつ買っていくという会
従業員にとっての持株会のメリットは、
・積立でリスク低減
・奨励金支給
・少額で行える
・勝手に資産形成してくれる
従業員にとっての持株会のデメリットは、
・自分の会社にすべて賭けている状態=1点集中投資になる可能性があるという事
企業にとっての持株会のメリットは、
・従業員が安定株主に
・従業員のやる気向上
・福利厚生

まとめると、このような内容になります。

 

持ち株会制度は、現在働いている社会人の方も

「よく分からないでやっている」

「会社で言われたから入った」

このように、考えなしで持株会に入ってしまう方は多いです。

 

勝手に資産形成してくれるし、自分の働いている会社だから業務内容はよく知っているといっても、立派な株式です。

価格は変動して、資産額がマイナスになってしまう事もあります。

少しでも理解をして行う事が、自分の資産を守る事にもなります。

 

ほとんどの人に関わってくる持株会。

是非、高校生のうちから授業で取り上げて、「知っていると得」ではなく「知らないと損」の事例の一つとして指導してあげると良いでしょう。

 

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